「世界一周」。なんとも素敵な響きですよね! いつかはやってみたいとわたしも子供のころからずっと思っていたのですが、今回、思い切ってANAマイルを使い、ビジネスクラス世界一周特典航空券を発券したので、その報告と、予約をした際に感じた注意点やルーティングのコツなどをお送りします。
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南米といえば、世界的にも大人気のマチュピチュ遺跡(ペルー)やウユニ塩湖(ボリビア)、ガラパゴス諸島(エクアドル)、イグアスの滝(ブラジル)、ペリトモレノ氷河(アルゼンチン)、エンジェルフォール(ベネズエラ)などなど、スケールが大きく、大変に魅力的な場所ばかりですが、日本からは片道2~3日がかりの移動となります。
南米行きは、必要ANAマイルも10万マイルを優に超えるため(ビジネスクラス利用時)、なかなか気軽に発券するというわけにもいきません。ところがこの南米行きを世界一周に組み込むと、とてもコストパフォーマンスがお得になるのです。この辺をご紹介できればと思います。
追記)さらに詳しいANA世界一周特典航空券の予約・発券ルールと、おすすめのルートを次の記事でまとめています。こちらもぜひご参考にしてください。
【ANAマイル世界一周特典航空券】予約・発券ルール完全解説!必要マイルとルート、ビジネスとファーストも比較 ANA/スターアライアンス世界一周のおすすめルート!特典航空券の必要マイルとチケット価格も比較また、JALマイルではファーストクラスの世界一周特典チケットを発券しました。JALマイルを貯めている方はこちらもどうぞ。
JALマイルで430万円のファーストクラス世界一周ワンワールド特典航空券を予約した方法と失敗談 JALマイル世界一周ワンワールド特典航空券の予約ルール完全解説!必要マイルやおすすめルートも
目次
ANAマイル利用 世界一周特典航空券旅程
ちなみにわたしは昨年、ブラジルとアルゼンチンをエミレーツ航空ファーストクラスで訪れたのですが、この際も往復で48時間、飛行機に乗り続けました。詳しくは次の記事に。
エミレーツファーストクラス搭乗記 A380と777の違い・機内食とシャワーその際はJALマイルを利用したのですが、今回いろいろと調べて比較検討した結果、特典航空券を使った世界一周においては、どちらかといえば、ビジネスクラスならANAマイルを、ファーストクラスならJALマイルを使うのが良いのでは?と感じるようになりました。
どちらのマイルも貯めるのはそれほど難しくありませんから、そのように使い分けができると良いですね。
ANAマイルの貯め方①100万マイルを貯めて48ヶ国を旅した方法 大量JALマイルを貯める方法! 初心者必見のJALマイルの貯め方と陸マイラー的裏技!ではさっそく、今回発券したANAマイル世界一周特典航空券をご紹介したいと思います。
マチュピチュ遺跡とガラパゴス諸島を巡る旅(ついでに世界一周)
ご覧のようにアジア・アフリカ・北米は素通りしており、世界一周というより、実態としてはほぼ南米旅行に使っています。旅程は、以下の通り。
- 成田
- ワルシャワ(ポーランド)
- ミュンヘン(ドイツ)
- ボゴタ(コロンビア)
- クスコ(ペルー)
- ボゴタ(コロンビア)
- グアヤキル(エクアドル)
- サンクリストバル島(エクアドル)
- バルトラ島(エクアドル)
- キト(エクアドル)
- パナマ(パナマ)
- メキシコ・シティ(メキシコ)
- 成田
フライト総距離・・・24,447マイル
必要ANAマイル・・・145,000マイル
諸税・・・50,530円
黒字の都市は乗継のみで、空港の外に出る予定はありません。緑のサンクリストバル島は有償購入。オレンジの都市は簡単に観光したいなとは思っていますが、メインは青字の都市です。今回の旅程をひと言で言えば、「マチュ・ピチュ遺跡とガラパゴス諸島を巡る旅!」です。
- クスコ・・・マチュピチュなどインカ遺跡
- サンクリストバル/バルドス・・・ガラパゴス諸島
はい、アジア・ヨーロッパ・アフリカ・北米はほぼすっ飛ばしております。「そんな、もったいない!」というご意見はごもっともなのですが、さすがに有給を取れる日数が決まっていますので……。
世界一周特典航空券は意外なほどコストパフォーマンスが良い
そして必要マイルという観点から言うと、「もったいない」ばかりでもないのです。というより、考え方によっては、めちゃくちゃお得だと思っています。そもそも、今回の旅行は、世界一周よりも単純に「南米のマチュピチュに行きたい」というのが発端でした。
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マチュピチュ観光のベースとなる、クスコへの特典航空券単純往復を考えてみます。
- 日本→北中米→リマ→クスコ往復
- 必要ANAマイル・・・143,000マイル
この場合の必要マイル数は、往復で143,000ANAマイルです。今回わたしが発券した世界一周特典航空券は、
- 日本→ポーランド→ドイツ→パナマ→クスコ→エクアドル→メキシコ→日本
- 必要ANAマイル・・・145,000ANAマイル
世界一周特典では145,000ANAマイル。つまり、たった2,000マイルを足すだけで、ヨーロッパやガラパゴス諸島への旅を付けることができました。
たったの2,000マイルです。直接南米往復するだけの旅程を組むのが馬鹿馬鹿しく感じられるほどのお得さではないでしょうか? しかも時間が許すなら、いずれの国でストップオーバーしてもかまいません。
ANA世界一周特典航空券なら8ヶ所まで途中降機可能
マチュピチュとガラパゴス以外の、ポーランド・ドイツ・コロンビア・パナマ・メキシコいずれの国でも、ストップオーバー(途中降機)することが可能です(最大8ヶ所まで)。ANA国際線特典航空券では、ストップオーバーは1ヶ所(ANA便利用時)もしくは2ヶ所(提携社特典利用時)しか認められていないので、これは世界一周特典航空券ならではの、圧倒的な強みです。
南米直行と世界一周、到着時刻はそれほど変わらないケースも
日本からマチュピチュへ行く王道ルートといえば、太平洋を渡り、北米で乗り継ぐ形です。世界一周特典航空券の場合は、太平洋、ユーラシア大陸、大西洋を横断しなければいけないので、どうしても飛行時間は延びますし、非効率に見えます。
ただ、たしかに飛行時間は延びますが、実際の到着時刻は、北米路線次第では、それほど変わらないケースも珍しくありません。ためしにANA有償便で検索したところ、第一候補として以下のような旅程が出てきました。
北米経由・・・3/6 AM10:50成田発→ヒューストン→ボゴタ→3/7 AM10:12クスコ着
わたしが今回発券した旅程では、ドイツとワルシャワで観光するためにヨーロッパでの宿泊をはさんでいます。それをせずに効率重視ですぐに乗り継げば、
欧州経由・・・3/6 AM10:00 成田発→ミュンヘン→ボゴタ→3/7 AM10:12クスコ着
と、実はほぼ同じ時刻に出発し、まったく同じ便でクスコ入りすることになります。このようなケースもあるので、欧州経由だと極端に時間がかかるとも言い切れないんです。
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ANA国際線特典航空券のルールと区間数制限
通常のANA国際線特典航空券には、以下のようなルールがあります。
- 国際線特典では往路・復路ごとに乗継2回しか認められない(国内を含まず)
- つまり片道3区間(レグ)までしか利用できない
マチュピチュとガラパゴスへANAマイル特典で行くケース
▲ガラパゴスでは、アシカやイグアナと泳ぎ放題と聞きます
南米のように乗継が頻繁に発生する地域では、この乗継回数制限が大きなハードルになります。ガラパゴス諸島は、ペルー国内(リマ)とエクアドル国内(キト)での乗り継ぎが必須なので、最短区間数でも
- 日本→北米→クスコ→リマ→キト→ガラパゴス
5区間となり、ルールにひっかかります。リマ以降を自分で別途用意しなければいけません。しかもガラパゴス以外では、一ヶ所でしかストップオーバーできません。日本発のANAマイル特典で、マチュピチュとガラパゴス諸島両方に行くには、世界一周特典航空券が最良の選択肢ではないでしょうか。
マチュピチュとウユニ塩湖へANA特典航空券で行くケース
マチュピチュのあと、ガラパゴスではなくウユニ塩湖に行く場合も、ボリビアの玄関口ラパス空港へはリマやボゴタ経由となるため、
- 日本→北米→クスコ→リマ→ラパス
と、上限オーバーの4区間になってしまいます。
しかも、言うまでもないですが、この例に挙げているような最短区間でのルートが常に空席があるわけではありません。というか、ないことの方が多いです。単純なクスコ往復便であっても、ひとつでも経由地が増えると、全行程が成立しなくなるケースが往々にして発生します。
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ANA公式サイトが提示する便を選択していっただけなのに、最後の最後で「この旅程は利用できません」というエラーメッセージが出て「なぜだぁぁぁ」と歯噛みをしてきたそこのあなた! 世界一周なら、経由地が少し増えたところで気にする必要はありません。なにせ最大12区間までのフライトが可能です。
世界一周ルート作りで悩んだこと:なにが大事なのか?
今回のルート作りで悩んだのは、「マチュピチュに加えて、どこに行くか?」でした。メインはあくまでもマチュピチュですから、外すわけには行きません。残念ながらわたしは一介のサラリーマンなので、マチュピチュに加えてもう一箇所に行くくらいしか、日数的な余裕はありません。主な選択肢は6つありました。
- ガラパゴス諸島(エクアドル)
- リマやナスカの地上絵など(ペルー)
- ウユニ塩湖・チチカカ湖(ボリビア)
- メキシコ・シティ(メキシコ)
- ワルシャワ・クラクフ(ポーランド)
この中でガラパゴスをもうひとつの目的地として選ぶにいたった理由は、次のようなものでした。
- リマなど・・・南米のハブ空港のひとつなので、また立ち寄る機会がありそう
- ウユニ塩湖・・・それほど興味がない。すみません(笑)
- メキシコ・・・見所の多い国なので時間をとりたい。また直行便もある。
- ポーランド・・・同上。
今までに、「ウユニ湖って大きな水たまりでしょ?」と発言して何人ものウユニ・ファンを激怒させてきたわたくしです(すみません)。実際に行ったら感動しそうではあるんですけどね笑(すみません)。
はっきり言って、ガラパゴス以外の場所を選んだ方が、乗継などの関係上、ずっとスムーズでした。それに、マチュピチュにくっつけるなら、ふつうはウユニ湖です。でも個人的な「行きたい度」で言えば、これはもう、ダントツでガラパゴスでした。
移動も大変だし、何度もあきらめて別のルートを作ったのですが、「でも……」とひっかるものがありました。人生、いつなにがあるかわかりませんからね。多少無理があっても、滞在日数が少なくなっても、ガラパゴス諸島を訪れる夢をかなえることにしました。
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ANAマイル利用 世界一周特典航空券の予約方法
それでは、実際にルーティングした際の注意点や、予定を作る際のコツをご紹介します。ANAマイルを使った世界一周特典航空券は、公式サイトからは手配できません。サービスセンターに電話する必要があります。SFCなど、ANAの各種ステータスをお持ちの方はもちろんそちらに電話してかまいません。
電話でオペレーターさんに一便ずつ空席確認をしてもらうのは、膨大な時間がかかりますので、おすすめできません。事前に調べておきましょう。
まず「STAR ALLIANCE Book & Fly」を使い、大雑把なフライト予定を組みます。無理な旅程は組めないので参考になりますし、区間数や飛行距離が画面下部に表示されます。
フライトまで選択できちゃいます……しかし、これはあくまでも有償のスターアライアンス世界一周チケットを予約するサイトなので、空席具合はまったく当てになりません。
大まかなルートが決まったら、おなじみANA公式サイトで、地道に路線ごとに空き具合を調べていきます。片道しか乗らない場合も、往復で検索します。
制限を超える4区間以上のフライトになったり、特定の地域を経由したい場合は、複数都市で調べます。
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誇張ではなく、ルーティングを確定するまでには「ああでもない、こうでもない」と、10時間ぐらいの検討が必要でした。日本→香港→イスタンブール→ロンドン→ニューヨーク→日本みたいなメジャー都市をつなげるルートなら、もっとスムーズにいくかもしれませんが。
世界一周特典航空券では理想的なルートが取れるとは限らない
その意味では、世界一周特典のルート作りでは、適度な妥協が必ず必要です。わたしが実際に予約を進めながら考慮した点や、コツをご紹介しましょう。
まず日本から西へ向かいます。西回りでも東回りでもかまいません。ANA世界一周特典の主なルールとしては、
- 太平洋、大西洋を飛行機で一回超えなければいけない
- 東回り、西回りいずれでもよいが逆走はできない
- 出発地と最終帰着地の間で最大8回の途中降機が可能
- 最大フライト数12区間
- 最大4区間の「地上移動・同じ都市での異なる空港間移動」が可能
- 出発国に戻る最後の国際線搭乗は、最初の国際線搭乗から10日目以降
最低でも10日間の休みを取れないと世界一周はできません。もしくは、途中で日本に帰り、数回に分割する方法もあります。世界一周チケットは1年間有効です。
たとえばエジプト・カイロ発の航空券は安いことで有名ですから、エジプトまでアジアの旅を楽しんでいったん帰国、半年後にエジプトからヨーロッパへの旅を再開、こんな旅の仕方も良いと思います。
日本→ヨーロッパ(成田→ワルシャワ→ミュンヘン)
ミュンヘンまでの便は、直行便があればよかったのですが、ワルシャワ経由となりました。この辺はざくざくと割り切っていくしかありません。もちろん日数的余裕があれば、ヨーロッパに行く前に、アジアや中東、アフリカなどを経由してもよいでしょう。
ショパンの熱狂的ファンというわけでもないので、ワルシャワは今回ちょこっと見る程度なのですが、それ以外にもクラクフ近郊をはじめ見所の多いポーランドなので、ぜひ時間をとって訪れたいと思っています。
ミュンヘンはもう何度も行っているので個人的には「またか」という感じではあるのですが、あのノイシュヴァンシュタイン城など日帰りで行くことができます。
世界一周特典航空券を発券する場合のコツ① 割り切る!
とにかく、割りきる! 絶対に行きたい都市、外せないフライト以外は、臨機応変で「そこが経由地ならついでに観光してみよう」というくらいの感覚がよいかと思います。
大西洋横断:ヨーロッパ→南アメリカ(ミュンヘン→ボゴタ→クスコ)
ヨーロッパ方面から南米へ向かう際は、どちらかというと、ブリティッシュエアウェイズやイベリア航空、LATAM、KLM、エールフランスなどを擁するワンワールドやスカイチームの方が選択肢があるのかなーと感じることが多かったです。
スターアライアンスではルフトハンザとアビアンカ頼みになるケースが多く、それも、フランクフルトよりも、ミュンヘン発便の方が選択肢は豊富でした。ボゴタはコロンビアの首都で、ハブ空港のため、南米大陸北部でのフライトでは経由することが多い都市になります。
南米内周遊(クスコ→ボゴタ→グアヤキル→サンクリストバル→ガラパゴス→キト→パナマ)
この旅のメイン・パートが南米です。クスコでは、言うまでもなくマチュピチュ遺跡を観る予定です。高山病が心配ですね。
クスコからグアヤキル(GYE)へは、再びボゴタ経由となります。
ガラパゴス諸島には2つ空港があるのですが、サンクリストバル空港(SCY)がANAサイトでは検索できなかったことに加えて、乗継時間がいまひとつだったことから、グアヤキルからサンクリストバルは有償で発券しました。約2万円です。
世界一周特典航空券を発券する場合のコツ② 有償購入も活用
グアヤキル→サンクリストバル→ガラパゴス空港(GPS)は地上移動区間扱いになります。南米地域の特典航空券では深夜/早朝フライトが多く、接続時間などを考えると、短い距離なら、有償で別途手配してしまった方がよいケースも多いかと思います。
また、これは結果的にそうなったのですが、この部分を有償手配にしたことで、総飛行距離が24,447マイルと、25,000マイルをわずかに下回ったため、必要ANAマイルを節約できました。
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太平洋横断:(パナマ-メキシコ-成田)
ANA公式サイトの単純往復ではキト→ボゴタ→ヒューストンが空いていたのに、実際に電話すると、取れませんでした。このようなケースもあるんですね。「世界一周の最終行程まできてダメなのか」とあせったのですが、メキシコ経由の代替案が見つかって一安心でした。
メキシコも駆け足で観るには惜しすぎる国なので、またあらためて訪問したいと思っています。
世界一周特典航空券を発券する場合のコツ③ 太平洋路線をまず確保しよう
世界一周する場合のルールとして、必ず太平洋、大西洋を一回ずつ横断しなければいけません。太平洋を横断する場合、何十もの国があるユーラシア方面のように豊富な選択肢はありません。アメリカ、カナダ、メキシコの3ヶ国しかないので、この区間の空き具合をまず調べることをおすすめします。
まとめ ANAマイル特典航空券で南米に行くなら世界一周もおすすめ
何度も書いていますが、単純な南米往復特典航空券にたった2,000ANAマイルを追加するだけで、大幅に選択肢が増えます。なによりも「世界一周を達成できる」というのも大きいですよね。
ANAマイルを貯めるのはもはやそれほど難しいことではありません。むしろそれをいかに使うか、という点が重要です。その選択肢の一つとして、南米旅行を組み込んだ世界一周はとても魅力的だと思います。ANAマイルの使い方としても大いにおすすめしたいです。
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