年間21万6千ANAマイルを貯めることが可能な、いわゆる「ソラチカ」ルート。それを支える、陸マイラーにはかかせない唯一無二のクレジットカードがANA To Me CARD PASMO JCB、通称「ソラチカカード」であることは、みなさんももうご理解いただけたと思います。ソラチカ交換ルートの使い方についてはこちらで細かく解説しました。
しかし一般に、ソラチカはいわゆる死蔵カードとされています。ソラチカの利点はあくまで、メトロポイントをANAマイレージに交換する際の、0.9倍という高比率にあります。カード自体の機能を使われることはあまり、というより、ほとんどありません。この記事では、せっかく発行したソラチカをなんとか有効利用できないものか? 検証してみました。
果たして、ANAマイルへの交換ルート以外にソラチカカードの活用法はあるのでしょうか?
最初にお断りしておきます。ごめんなさい! 今回の記事は東京に在住・通勤・通学されている方以外にはほとんど役に立たない記事となっています。「東京メトロのクレジットカード」という、いわばソラチカの本来の役割を検証する記事なのでどうしても東京に限定されてしまいます。
また、それこそがそもそも交換ルート以外には使われていない理由でもあります。東京メトロを使わない方にはほとんど恩恵がないからなのですね。
目次
東京メトロポイントを貯める
ANAマイルを大量に貯めるにはポイントサイトを活用しますが、それはあくまで、東京メトロポイントを貯めるための手段にすぎません。
大事なのは、この③東京メトロポイントです。究極的には、メトロポイントが貯まる手段がほかにあれば、①や②のポイントサイトを利用する必要はありません。実は、東京メトロに乗車すると、1回ごとにそのメトロポイントが貯まるのです。
平日乗車 5ポイント
休日乗車 15ポイント
往復で2回乗ると仮定すると、平日は9ANAマイル、休日は27ANAマイル貯まります。通勤通学で週に5日利用する場合には、ひと月で次のようになります。
5×2回×5日×4週=200メトロポイント=180ANAマイル
一年では1,260ANAマイルです。これが無料でもらえるなら、意外と悪くないですね(もちろん乗車賃はかかるわけですが)。
が! ここで残念なお知らせです。通勤・通学でそれだけ乗車される方は、当然定期券を利用していると思いますが、定期券のエリア内で乗車した場合、メトロポイントは付与されないのです。がっかりですよね。変わりと言っては何ですが、定期券購入時に、メトロポイントが付きます。ソラチカのひとつの特徴は、カード自体に定期券を乗せられることなんです。裏面をご覧になったことはあるでしょうか? 左に大きなスペースが空いたちょっと変わったデザインになっていますが、ここに定期券情報が刻印されるんです。
JRと比べると、東京メトロは定期券利用時の割引率が低いことで知られています。では、定期券を買わずに、その都度料金を払うのとどちらがお得でしょうか。ソラチカはPASMOを搭載しており、なおかつオートチャージ機能が付いているので、その面では非常に使い勝手がよいのです。改札に引っかかることなく、定期を持っているのと変わらず利用できます。
ソラチカカードでの定期券利用と都度購入はどちらがお得?
東京メトロの乗降客数1位は池袋、2位は大手町なので、この区間を例にとって考えてみたいと思います。定期券購入時に付与されるメトロポイントは、1,000円ごとに5ポイントです。都度支払いは、平日に2回乗り、その際にオートチャージPASMOを利用する条件を想定しています。表にまとめると、次のようになります。
メトロポイント | 料金 | Okidokiポイント | |
---|---|---|---|
定期券購入 | 200(=180マイル) | 40,400 | 40(=200マイル) |
都度支払い | 200(=180マイル) | 46,800 | 46(=230マイル) |
メトロポイント
さすがにうまいことできていますね。両者でもらえるメトロポイントは一緒です。もちろん、限られたケースですが、外回りの営業の方など、交通費を会社持ちで一日に数回メトロに乗車される方であれば、ずっと貯まりやすいです(1日に何回乗車しても、その都度メトロポイントがもらえるため)。そうでない場合は、都度乗車よりも、定期券購入の方がお得です。6,800円分の差額をカバーできるほどのANAマイルは貯まりません。
Okidokiポイント
Okidokiポイントは5マイル移行コースを選んでいる方が多いでしょうから、定期券購入の場合、200マイルになります。都度乗車だと230マイル。差額は30マイルですが、6,800円でその程度の差では意味がありませんから、ここでもやはり定期券購入の方が良いですね。Okidokiポイントについて詳しくはこちら。
クレジットカードでマイルを貯めるのはやはり「無理」がある
クレジットカードの決済ポイントについては、マイル還元率1.35%のExtremeカードや、マイペイスリボの裏技を組み合わせると1.445~1.72%の還元率であるANAワイドゴールドなどもあるのですが、SuicaやPasmoとして利用ができないので、いちいち券売機で切符を買わなければなりません。これは現実的ではないですね。対抗馬としてはANA VISA Suicaカード(マイル還元率1.3%)くらいでしょうか。
ただ、ここでかなり身もふたもないことを言ってしまいます。マイル還元率にしろポイント還元率にしろ、クレジットカードの利用や決済によって得られるポイントは、気にするだけ時間の無駄と言えます。これまでに出てきた1.3%~1.72%といった数字や、200メトロポイント、200マイルなどの数字を見ていただければ分かると思うのですが、どれを選んだところで、本当に微々たるものです。雀の涙です。ソラチカカードの解説記事の冒頭で書いた格言をもう一度貼ります。
陸マイラーがクレジットカードの還元率を気にするのは、油田がわきでるそばで、安いガソリンスタンドを探すようなものである
すでに陸マイラー活動をされている方は、この言葉に「うんうん」とうなずいていらっしゃると思います。たとえば、ハピタスで1案件こなすだけで10,000マイルです。10件こなせば10万マイルです。文字通り「桁が違う」話です。
マイル活動をはじめてしばらくすると、誰もが通る症状(?)があって、それは、数千マイル以下の話には興味を示さなくなるんです。あまりにも獲得できるマイレージが小さいため、無関心になってしまうんですね。そして、それは実に正しい態度なんです。どれだけ高還元率のカードを作っても、その違いは1%以下です。ほぼ意味がありません。
したがって、ソラチカカードを日常利用するなら還元率云々よりも、1枚のカードでクレジットカード/定期券/オートチャージを満たす機能に利用価値を見いだす方が良いでしょう。わたし自身、実はまさにこのパターンで、オートチャージ付きPasmoとして重宝しています。AndroidではなくiPhoneを使っているので、モバイルsuicaを使えないのです。自動改札にひっかかったり、いちいちチャージしなければならないわずらわしさから解放されたことが嬉しいですね。
提携サービスの特典
次に、ソラチカカードを提示することで受けられる特典サービスについて調べてみました。東京メトロが乗り入れている駅構内のサービスが多いです。
- カレッタ汐留
- 新宿メトロ食堂街
- エチカ池袋
- エソラ池袋
- エチカ表参道
- メトロ・エム後楽園
- ホテル椿山荘
- ロイヤルパークホテル〔水天宮前)
- ヒルトン東京
これらのレストラン街やホテルでは10%割引や、食事にデザートやドリンクが付くといった特典があるので、利用する機会の多い方は一度公式サイトの特典ページをチェックしてみてください。
レンタカー/カーシェアリングサービス
地下鉄のカードなのに、なぜかカーシェアリング、レンタカーのサービス特典の方が実は充実しています。いいのでしょうか(笑)。割引率や額も高いので、レンタカーを利用する機会のある方は「そういえばソラチカで割引があるんだっけ」ということを頭の隅に入れておかれると良いでしょう。
タイムズカーレンタル
ミニバン/ワゴン・マイクロバス30%割引、その他全ての車種は25%割引きでご利用いただけます。この高い割引率がもっとも特典としての利用価値があると思います。
カレコ・カーシェアリングクラブ
入会金 1,500円 → 無料
月会費 980円/月 → 2ヶ月無料
利用クーポン 2,000円分プレゼント試し乗りにお使いください。1時間×2回お試しできます。
オリックスカーシェア
ICカード発行手数料 1,000円/枚 → 無料
月額基本料 個人Aプラン2,000円 → 入会月より2ヶ月間無料
時間料金2時間分(1,600円)/月 → 入会月より2ヶ月間無料
まとめ
結論としては、ソラチカをふだんから活用するなら、「オートチャージ機能付きPASMO」としての使うのが一番良いでしょう。とは言え、年間決済額が50万円程度の方の場合は、決済カードとしても十分に利用できるクレジットカードだと思います。東京メトロの区間内で通勤通学をされている方なら、定期を乗せるのも良いですね。
特典としては、レンタカー、とくにTimes系で利用する際に大きな割引率が適応となります。それ以外では、ふだんよく使う駅で利用できるサービスがないか、ご確認ください。
……あああ、大して役に立たないつまらない結論でごめんなさい(笑)。繰り返しになりますが、大量マイルを貯めるのであれば、ポイントサイトの案件をこなすしか、現実的な選択肢はありません。ある意味では、あらためてそれを実証できた記事でもあるということで、東京メトロのゆるキャラTo Meくんに免じて、お許しいただければありがたいです。
次回はきっともっとお役に立つ記事をお送りしますm(_ _)m
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